渡辺研究室へようこそ

渡辺研究室では計算機、特にスーパーコンピューターを用いた研究の可能性について追求しています。

「スーパーコンピュータを使うと、人間は何ができるようになるのだろう?」私が常に考える問いです。スーパーコンピュータ、略してスパコンは、普通のPCとは比較にならないほど大きい計算能力を持つ計算機です。大きいといっても計算機ですから、やってることは何かを計算することだけですし、そのプログラムは人間が書いて与えなければなりません。でも「何かを計算するだけ」で得られた結果の可能性は無限大です。チェスや囲碁で人間に勝つAIを作ったり、小説を書いたり、そんなこともできるようになってきました。

一方で、そんなすごい計算能力をどう使うか、ということは極めて非自明な問題です。デスクトップPCで動いているプログラムを、そのままスパコンに持って行っても急にすごいプログラムになるわけではありません。大規模な計算能力を有効に使うには、それなりの技術、知識、経験が必要となります。

私はこれまで、このスパコンの計算能力を主に「粒子数の数を増やす」方向に突っ込んで来ました。世の中は非線形です。100個の粒子では見えなかったものが1000個の粒子で見えるかもしれません。1万個の粒子では表現できなかったものが、1億個の粒子では表現できたりします。「量が増えると、あるところで質が変わる(かもしれない)」。それが私の研究のポリシーです。

主に分子動力学法を用いて研究はしていますが、興味はあくまで「大規模な計算能力があって初めてできる面白いこととはなんだろうか」ということにあります。粒子系にこだわらず、幅広い興味をもって研究を進めています。また、研究を進めるのにスパコンを使うのは必須ではありません。手計算も、デスクトップPCでの計算も、PCクラスタを用いた計算も、必要に応じて使い分けながら研究を進めています。今後は機械学習なども援用し、「計算機が拓く新たな『知』」を追究していきます。

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